ロードバイクのスポークを語る
ロードバイクのスポークについて語る人はあまり多くありませんが、実は、とても気になるパーツです。とはいえ、スポークの情報はきわめて少なく、性能差もあまりないのでは、と考えがちです。とんでもありません。また、コストダウンの可能性のあるパーツですが、私達ICANは、決して手を抜きません。その内容をこれからお見せします。
スポークの進化
スポークは車輪と共に進化して来ました。馬車の時代は木製のスポークでした。これも、強度と軽量化を図ってのことでした。自動車は、と言えば、60年代の前半までは、スチールのスポークホイールが軽量と高性能の象徴でした。フェラーリ、マセラーティ、ジャガーといった名だたるスポーツカーにスポークホイールは採用されていました。やがて、自動車は、アルミの軽量ホイールに主流が移ります。これに対し、自転車は、スポークホイールが主流のまま現在に至っています。径が大きく、荷重のかからない自転車には、この方法が適しています。ロードレースのバイクは今でもスポークが主流であることからも、そのことがうかがい知れます。
スポークに望まれる要素
自転車は、人力で走るので、力には限りがあります。ペダルの力を無駄なく車輪に伝えるには、自転車は軽量でなくてはなりません。特にホイール。そして、スポークも軽量でなくてはなりません。また、回転と前進の激しい動きはホイールを酷使しており、丈夫でなければなりません。スポークにも丈夫さが求められます。さらに、ロードバイクでは、空力の良さも求められます。
これらのことは、当たり前のようでいて、スポークにおいては軽視されがちなことです。私達ICANのエンジニアは、ICANのホイールにふさわしいスポークを探し求めました。その結果、私達が採用したのは、これからお話する3種類のスポークです。軽量、丈夫さ、空力性能すべてを兼ね備えた逸品ぞろいです。
DT AERO 35 エアロスポーク搭載されたカーボンホイール
CN Mac 494 エアロスポーク
CNというスポークのメーカ-名を聞いてピンと来る人は少ないでしょう。しかし、あなたのホイールにもCNのスポークが使われているかもしれません。CNは50年以上の歴史を持つ老舗で、それは、技術の蓄積による途方もなく大きなアドバンテージを持っていることと同義です。CN Mac 494スポークは写真でご覧の通り、断面が平たい空力構造になっています。現在のエアロスポークはほとんどすべてこの形状に準じています。
CNは、価格からは信じられない高品質なスポークをつくります。ICANのホイールが低価格で高品質なのもCNに負うところが大です。この後ご紹介するSapim(サピム)ほどは有名ではありませんが、CNがMac494ほどの品質のスポークを造り続けるなら、状況は一変するでしょう。このスポークは、ICANのエントリーレベルの製品に使われています。
PILLAR AERO 1432 エアロスポーク
PILLAR(ピラー)社は台湾の会社で、30年にわたって世界中の自転車メーカーにスポークを供給して来ました。毎月100万本以上の製品を送り出しています。CNと同じく、ひそかにあなたの自転車にも使われているかもしれません。
Pillar社は、自転車業界で独自の道を歩み、自社製品について、多くの特許を有しています。その典型的な例が、このAERO1432です。冷間鍛造というプロセスにより、強度が20%アップしています。鍛造品の品質の良さは言うまでもないでしょう。スポークの空気抵抗を高めるため、風洞実験を経て開発されているのも注目に値します。
Sapim CX-Ray エアロスポーク
スポーク界のスーパースターともいえる存在のSapim(サピム) CX-Rayです。この製品は多くのライバル達の目標となっています。Sapimがこれほどまでに業界をリードしている理由のひとつに、100年以上の歴史を有していることがあげられます。素晴らしい技術の蓄積によって、私達ICAN製品のレベルアップにも貢献しています。CX-Rayはエアロスポークの最高峰です。素晴らしく軽量で、剛性があり、他のどんなスポークよりも耐久性があります。このスポークは、FL、Aero、DTというICANの上位シリーズに使われています。あらゆる意味でベストなスポークたち
これまで見てきた通り、ICANホイールは、納得できるベストなスポークを、それぞれの価格帯に応じて厳選して採用しています。どのホイールセットを選んでも、最高のコストパフォーマンスを発揮するスポークが使われているのです。ICANのエンジニア達は頑固で神経質です。気に入らない製品を世に送り出すことには決して合意しません。
新しいカーボンホイールを購入する時は、あらゆる情報に当たって、最良の選択をしてください。同じバイク好きとして、ICANはそのための情報を共有できることを歓びに感じます。どしどし質問・お問合わせをお寄せください。最大限のお返事を差し上げます。
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