ロードバイク初心者のあなたへ
これは、よくあるバイヤーズガイドでなく、ロードバイクの初心者に贈る入門記事です。
友人からアドバイスされるような感覚で気軽に読んでいただければ嬉しいです。
特に、重要な存在であるコンポーネント(変速機・ブレーキなど)の全体像がわかっていただけるよう配慮しました。
ではさっそく始めましょう。
ロードバイクへの入り口
あなたがロードバイクを買おう、と決心したとすれば、それはなぜでしょう?
① 友人がロードバイク乗りで、それを見ているうちに自分も乗りたくなった。
② バイクには興味があり、クロスバイクからステップアップしたくなった。
③ 雑誌(動画)を見て、急速に興味がわいた。
④ 中距離をバイクで旅したいと思っていた。
⑤ 健康のために手軽に出来るスポーツとしてロードバイクを思い付いた。
そうなのです、「手軽に出来るスポーツ」というのは共通のキーワードのような気がします。
考えてもみてください。
テニスやゴルフは新たに基礎から覚える必要があります。
しかし、すでに自転車に乗れているあなたであれば、ロードバイクは比較的簡単にモノに出来てしまいます。
簡単という意味ではジョギングも同じですが、ロードバイクはそこに自転車という機材が介入することが大きな違いとなります。つまり、「スポーツをする」ことにとどまらず、機材を愛でることもそこに含まれて来ることになるのです。
ロードバイクがサイクリングに適している理由
なぜ、ママチャリでなく、ロードバイクなのか?
それは、あなたにもおわかりだと思います。
整備された道を、もっとも快適に、効率よく走れるのがロードバイクだからです。
ママチャリで50kmは途方もない距離ですが、ロードバイクなら、買ったその日に走れてしまう距離です。
次に、ロードバイクはどんなものを買うべきなのかという話題に移ります。
ロードバイク初心者に最適な選択は?
あなたは、まだ自分の求めるロードバイク像を確立しているわけではありません。
であれば、最初から高級なバイクを選んでしまうのは少々リスキーだと思います。
つまり、必要にして充分な性能を備えた、いわゆる「エントリークラス」のものを選ぶのが間違いのないところです。
具体的にお話ししましょう。ふたつの提案があります。
① 15~20万円クラス
コンポーネント(変速機やブレーキなど)に、シマノの105という中堅クラスのセットを備えた15~20万円のものを選ぶのがもっとも無難な選択です。フレームの材質は主にアルミですが、もしカーボンが奢られているものであれば相当コスパの高いモデルと考えて間違いありません。
このクラスのものを選んでおけばあとで後悔することはないでしょう。その気になれば相当長く乗れると思います。
しかし、最初のバイクにいきなりそれだけの投資はきびしい、と考えるのでしたら次の案があります。
② 8~10万円クラス
このクラスのモデルに付いているコンポーネントはシマノのクラリスです。
そう、ご察しのように、コンポーネントというのはバイクにとって非常に重要なポジションを占めています。使われているコンポーネントによりバイクの「格」がわかります。
これはこれで充分な性能と品質を持っていますが、長距離を走ってみると、上級クラスのリア10~12速に比べ、8速であり、スピード域によって、かゆいところに手が届かない場面が出て来ます。変速のフィーリングも上位に比べると多少スムーズさに違いがあります。
とはいえ、ロードバイクの世界を知るには充分な内容を持っており、将来的に上級機種を買うことになったとしても、これは普段乗りの気楽な1台として、とても重宝する存在になることでしょう。
さらに、もう少し手軽なクロスバイクという手もありますが、全体的にロードバイクほど長距離を想定していません。しかし、20km、30km程度の乗り方であれば、まったく問題なく使えます。クロスバイクなら5万円前後で満足のいく1台に出会えるでしょう。
ロードバイクのコンポーネントについて
コンポ―ネントは、変速機・ブレーキなどの機械部分の総称です。
代表的なメーカーとして、シマノ、スラム、カンパニョーロの3社があげられます。
各社とも何種類ものモデルを揃えており、求めるレベル、価格によって選択できます。
ここでは、もっとも一般的なシマノについてお話します。6つのグレードがあります。
①DURA-ACE
シマノのフラッグシップモデルです。11速、フルセットで約20~38万円です。
②ULTEGRA
上位機種として定評があります。11速、約11~20万円。
③105
シマノの代表的なコンポとしてもっとも広く使われています。11速、約7万円。
④Tiagra(ティアグラ)
ミドルクラス用、10速、約6万円。
⑤SORA
エントリークラス用、9速、約4万円。
⑥Claris(クラリス)
エントリークラス用、10万円以下のモデルに使用されます。8速、約3万円。
シマノは、このような展開でユーザーの多様な要求に応えています。コンポーネントの価格に占める割合が、とても大きいことに気付くと思います。
では、本命となる15~20万円クラスのロードバイクについて、さらに詳しく見ていきましょう。
15~20万円クラスのロードバイク
一例として、私達ICANのロードバイクを使い説明します。
税込価格が167,300円のTaurusというモデルです。車体重量も7.85kgと申し分のない軽さです。
コンポーネントは、お約束のシマノ105のフルセットが使用されています。シマノ105は、シマノのコンポーネントの中堅クラスではありますが、リア11速と上級機に比べても遜色なく、将来的に役不足になる心配のないすぐれたコンポです。
フレームは、一般的にアルミ、カーボン、クロモリのものなどがあります。アルミはパキッとした剛性感にすぐれており、このクラスの大多数のモデルに使用されています。これに対しICANのTaurusは、このクラスとしては贅沢なカーボンが使われています。(しかもエアロ形状をしています!)
カーボンのメリットは軽量さ、しなやかな乗り味などたくさんありますが、エントリークラスのカーボンフレームは通常、乗りやすさと丈夫さを第一に考えられており、クセのないモデルが手に入ります。
ブレーキのタイプは、従来からのリムブレーキ(キャリパーブレーキ)と、ディスクブレーキの2種類のタイプがあり、現在市場を二分しています。ディスクブレーキは天候に左右されない優れた制動力が特徴ですが、デリケートな一面もあり、Taurusはあえて扱いやすいリムブレーキを採用しています。
ホイールはこのクラスであれば、ほぼ例外なくアルミ製のものが付いてきます。単品の市販ホイールに比べると少し重いものが使われており、将来のグレードアップの最有力候補です。
とはいえ、これらのホイールは丈夫ですし、精度も高く、入門用として決して不都合を感じるものではありません。
タイヤは、サイズのチェックをしておきましょう。現在は幅25~28㎜のものが主流で、以前のように細ければ高性能というのは過去の考え方となりました。代表的な25㎜幅のものであれば700×25Cのように表示されています。
デザインとカラーリングはもっとも気になる部分かもしれません。
主要スペックを確認したら、あとはデザインで選んでもよい、と言われるほど現代のロードバイクは良質なものが揃っています。
カラーリングを含むデザインを判断するには、たくさんのバイクを見ることです。(カタログ本などが便利です)
一見同じようなバイクですが、ジオメトリー(各部寸法)や強度、剛性の持たせ方によって微妙な違いがあり、見ているうちにバランスの良さやカッコ良さを判断出来るようになります。
パッと買ってしまうのでなく、あれこれ迷いながら自分の一台を決める、という楽しみを経験しない手はありません。
サイズも重要なポイントです。各メーカーは適正サイズの表を載せており、これを参考にします。突き詰めればキリはありませんが、ジャストなサイズがもし得られなければ、大き目よりわずかに小さめが良い、という見解もあることをお知らせしておきます。
グラベルロードバイクの存在が、現在急速にクローズアップされて来ています。これは、多少の荒地にも踏み込めるよう、直進性のいい車体と太いタイヤで構成されています。
あなたの行動範囲しだいで、一考に値するかもしれません。
おわりに
ロードバイクの魅力に気付いたあなたにとって、ロードバイクの知識を得ることは大いなる楽しみになっていることと思います。
ICANのブログも充実しており、あなたの手助けになる情報が満載です。
どうぞご利用ください。
【参考記事】