ロードバイクのスポークとハブについて語る
スポークとハブ、あまり気に留めない存在だし、自らパーツを選べるというものでもない。
しかし、このあたりのパーツの話も、やはり興味深い。
ということで、ホイールのもうひとつの重要部品、スポークとハブについて語ってみましょう。
スポークの空気抵抗はリムより重要
現在ではスポークの形状には様々なものがあります。
断面が、従来の真円状のものの他に、エアロ形状をしたものも増えて来ています。
これは、スポークがいかに空力に影響を与えているかを物語っています。
ホイールが回転しているところを想像してみましょう。
中心のハブより下半分は、進行方向に対して同じ向きに回転しています。
つまり、この部分では、空気抵抗はあまり発生しません。
では、ホイールの上半分はどうでしょう?
進行方向と反対に回転しているではありませんか! これが結構激しい空気抵抗となるのです。
したがって、この方向に対してスポークの形状を整えてやり、少しでも抵抗を減らすことは、エアロ対策として有効になるのです。
また、複数のスポークが組み重なることにより、乱気流も発生しやすくなります。ホイール側面を板で覆ったディスク形状であればエアロ効果は期待できますが、今度は横風の影響を激しく受けてしまいます。
ロードバイクのスポークパターン
この他に、空気抵抗を減らす対策として、バトンホイールなども考えられて来ましたが、ロードバイクへの決定打はまだないのが現状です。
したがって、スポークパターンを考えることが現実的な空力対策のひとつとなって来ます。
ここで、スポークが担う力について考えてみたいと思います。
スポークは棒状の針金といってよいでしょう。針金は、押しに弱く、引っ張りに強い。したがって、ホイールもスポークの引っ張る力を利用しています。
静止状態のホイールは、中心のハブを上からスポークで吊って支えています。意外なことに、この時、他のスポークは事実上何の応力も受けていません。
クランクを回すとスポークに別の力が加わります。進行方向に対し後方に寝たスポークたちの出番です。しかしこれは、後輪だけの話です。推進力に関与しないフロントタイヤは、応力を受けないためスポークの組み方が簡略化できるわけです。
止まる時はどうでしょう。ディスクブレーキの場合はちょっと複雑です。ブレーキング時には先ほどと逆方向のスポークが、ハブからの力を受けることになります。
したがって、ディスクブレーキホイールはスポークを増やさねばなりません。ディスクホイールがタンジェント組で、ラジアル組のものがないのはこれが理由です。
実際には、ホイールメーカーはあらゆる可能性を試し、現在見られるようなパターンに落ち着いています。
極限までスポーク数を減らしたスプリント用のものから、耐久性を重視してがっちり組んだものまであり、選ぶ際の目安にすることができます。
【参考記事】自転車スポークの組み方を徹底解説
スポークのテンションについて
距離を走ったホイールはそれなりにくたびれて来ますが、スポークの伸びによるテンションの低下については、あまり意識が行かないものです。場合によっては、スポークごとのテンションに違いが出て、バランスが崩れている可能性もあります。
走り込んだホイールは、一度スポークのテンション調整をプロショップに依頼すると、思わぬリフレッシュ効果があるかもしれません。
ハブの構造も知っておこう
ハブのベアリング構造には大別して2種類があります。
① カップ&コーン式
古くから使われているもので、カップとボールが独立したパーツで構成されており、メンテナンスが必要です。しかし、定期的なグリス交換とクリアランス調整をすることにより、常にベストな状態を維持することができ、シマノやカンパニョーロなどの一部のモデルでは現在もこの形式を採用しています。
② シールドベアリング式(カートリッジベアリング)
中の構造全体をシールで覆い、メンテナンスフリーを実現させたものです。現在、大多数のモデルに採用されているものです。調整は不要で、ガタが出た場合はベアリング全体を交換することになります。
カップ&コーンとシールドベアリングの性能差はありません。しかし、ベアリングの精度によるグレードの違いは明らかなものがあります。
実は、ベアリングに関して、日本製が高いシェアを持っており、精度の高さで群を抜いているとされています。
クイックレリーズとスルーアクスルの違い
ロードバイクのホイール脱着に際して、従来からクイックレリーズレバーが使われて来ました。しかし、ディスクブレーキの採用に伴い、剛性強化の面からスルーアクスルという方式が一般化して来たことはご存じの通りです。
クイックレリーズが、細いシャフトでフォークエンドを両側から挟み込む構造なのに対し、スルーアクスルは太いシャフトをフォークに貫通させる構造です。このため、とっさの脱着には多少手間取りますが、剛性を高め、回転抵抗を少なくするのに有効な方法といえます。
ICAN AERO40 DT240s/350s ディスクホイール
40㎜ハイトのディスクブレーキ用ICANカーボンホイールをご紹介します。
価格は前後セットで105,570円(税込)となります。
UCI認証で2年間保証付きの信頼のおけるモデルです。
スポークはSapim社の CX‐Ray、エアロスポーク形状の定評のある製品です。
ハブはDT社のDT240S/350Sを使用しています。
どちらも世界的に定評のあるパーツで、ICANホイールの信頼性をさらに高めています。
まとめ
いかがでしたか?
ホイールを選ぶ時の選択眼のプラスになれば幸いです。
ICANのホイールは、細かなパーツにも一切手を抜かず製作されています。
候補の一つに加えていただければうれしいです。
【参考記事】