ロードバイクのクリンチャータイヤを知ろう
ロードバイクの完成車を買うと、ほぼ間違いなく付いてくるのがクリンチャータイプのタイヤです。
ホイール自体、クリンチャータイヤ専用のものが多く、実際、大多数の人がクリンチャーを付けていると言っても間違いではないでしょう。
そんな当たり前の存在のクリンチャータイヤについて、今回は少しお勉強してみましょう。
クリンチャータイヤの歴史
自転車用タイヤのもっとも古い形はチューブラータイヤです。チューブをゴムで覆った一体のチューブ状のものをリムに張り付けるタイプのものです。
現在も、その軽量さゆえに、オンロードでの競技用として広く使用されています。
黎明期のチューブラータイヤの次に開発されたのが今回のテーマであるクリンチャータイヤです。
タイヤとチューブが別体で構成されるそれは、様々なメリットを備え、現在の自転車タイヤの主流を占めていることはご存じの通りです。
それにも関わらず、ロードバイクが「ロードレーサー」と呼ばれ、スポーツ競技用車として扱われていた1980年代までは、ロードバイクのタイヤの主流はチューブラーでした。
先に述べた軽量なことが何よりのメリットで、パンク時でも、レースではホイールごとの交換で済ませられるので交換の大変さは問題にならなかったのです。
そしてその後、1990年代中頃から、徐々にロードバイクは市民権を得て一般に普及するとともに、ロードバイクタイヤの主流に躍り出たのがクリンチャータイヤだったというわけです。
クリンチャータイヤの種類
ロードバイクと言えば、オンロード専用、というのはすでに昔の話です。
現在はこれにグラベルバイクやシクロバイクといったオフロードも走れるタイプが加わっています。
したがって、700×23C、700×25Cといった従来からのサイズだけでなく、700×38C、700×40Cといった相当太く、トレッド面がブロックパターンのタイヤも用意されています。
タイヤが太ければ、外径も大きくなります。これには専用のフレームが必要で、従来のロードバイクに収まるサイズには限度があることは覚えておいていいと思います。
クリンチャータイヤに合わせるチューブについて
実は、タイヤの中に使用するチューブによってもグリップや乗心地は変わります。
現在、主に3種類の材質が選べますが、そのうち2種類は、いわば「勝負チューブ」であり、実用には供しにくいものです。
①ブチルチューブ
これが、もっとも一般的なチューブです。一定の厚みを持ち、空気が抜けにくく、耐久性があり、組み付けも簡単といった実用性の高さがあり、広く使われています。
②軽量ブチルチューブ
レース仕様の軽量チューブです。薄く作ってあるため軽量ですが、リム打ちなどでパンクしやすく、組み付けにも細心の注意が必要です。
③ラテックスチューブ
ブチル製よりもグリップや乗心地が向上する高性能なチューブです。
しかし、空気圧は1日程度で低下するため、完全レース仕様と心得ておくべきでしょう。
もちろん、これらのデメリットを承知で、レース用チューブでツーリングに出るということを否定するものではありません。
バイクの楽しみは限りないものですし、ヒリヒリするようなスプリントパーツをあえて使う、というのもまた素敵な行為だと思います。
クリンチャー、チューブラー、チューブレス
ここまで、クリンチャーとチューブラーにしか触れて来ませんでしたが、チューブレスという選択肢が残されています。
チューブレスタイヤについては、日を改めて別稿でご紹介したいと思いますが、現在、自転車乗りの中でもっとも気になるパーツのひとつといえるでしょう。
チューブレスのメリットは多い反面、組み付けの不安、パンク時の大変さなどの要素があり、実は多くの人が様子見をしているパーツです。
元祖であるM社のように先進的な取り組みをおこなっているメーカーはありますが、一般にはホイールとのマッチングなど難しい一面もあり、今後の技術開発に期待するところが大といえるでしょう。
ICANとしては、メリットも多いチューブレスタイヤの装着には積極的に取り組んでおり、かなりの製品がチューブレス対応になっています。
まとめ
ロードバイクのイノベーションの波はタイヤにも及んでおり、ある意味で私たちは時代の公証人としてそれを見守る立場にいます。
アルミフレームが出来、カーボンとなり、ブレーキにはディスク化の波。グラベルやシクロバイクでオフロードも走れる楽しみが増え、変速機は電動化されつつあります。
なんて素晴らしい時代に私たちはいるのでしょう。
どんどん試し、どんどん乗ってください。
そして、ICANがついていることをお忘れなく!
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