ICAN技術の集大成 A22カーボンフレーム
カーボンフレーム単体品は、たいていが高価です。
それだけ、製品に対する要求の高い市場であると言えます。
そのような中、ICANが、比較的リーズナブルな価格でフレーム単体を提供しているのには、様々な有利な条件の積み重ねがあることはもちろんですが、何よりも、ブランドイメージや価格でなく、出来上がったもので勝負をする、という強い信念があるからにほかなりません。
最新のA22カーボンフレーム、注目に値する作品です。
1 A22カーボンフレームを検証する
優れた製品というのは、見た瞬間に伝わるものがあります。ICANのフレームをこれまで見てきた目にも、このA22フレームはさらに感慨深いものがあります。
なんといってもカッコいい。
なぜそう感じたか、これから細部を見ていくことにしましょう。
① 全体のシルエット
デザインにメリハリがあります。
フレームの強弱をはっきりさせ、迷いがありません。
トップチューブをあえてスラントさせず、ホリゾンタルに近く持って来たのはなぜでしょう。設計者は「空力に関係する」とだけ控えめに話していますが、どうやらそれだけではないようです。
剛性的にはトップチューブをスラントさせ、前三角を小さくした方が有利です。しかし、あえてそうしなかったのは、設計者の好みであると同時に、それを実現できる設計ノウハウの蓄積があったということです。しかも、それを強調するかのように、トップチューブは思い切りストレートに伸びています。
② ヘッドチューブ
この部分にはねじれの荷重が大きくかかります。それをしっかり受け止めるために、エアロといえどもスリムにするには限界があります。むしろ、がっしりと造り込んだ印象があります。
カーボンの積層やパターンにはICAN独自の技術が活きています。
③ フロントフォーク
ロードフレームのなかで、もっとも強度を要求される部分です。フレーム側の重量が1119gなのに対し、フォークは388g、フレーム全体の1/4の重量をここで費やしています。強度試験は、信じられないような過酷なレベルでおこなわれます。
④ ダウンチューブ
ここには様々な角度から大荷重が加わります。したがって、太いのは当然ですが、A22フレームの場合は断面形状がさりげなくエアロシェイプされており、強度と空力との両立が図られています。
⑤ トップチューブ
冒頭で述べたように、ここにも設計者のメッセージが込められています。横剛性をしっかり確保しながら、上下には柔軟性を持たせるため、横から見ると美しい細身のストレートラインを目にすることになります。
⑥ BBまわり
BBまわりも、各方向から応力が加わり、フレームの特性を左右するほどの重要な部分です。ただ単に分厚くするのでなく、相当綿密な設計の跡がみえるシェイプアップされた形状です。
ベアリングのハウジング部分には、高い精度・剛性・強度が要求されます。シマノのBB86規格が指定となっています。
⑦ シートチューブ・シートステー・チェーンステー
リアの三角を構成する部分にあえてシートチューブを含めて解説しましょう。接合部分はかなり骨太ですが、ホイールベースを極限まで短縮するための設計が見て取れます。短い優美な形状のチェーンステーは、充分な強度を持ち、リアタイヤをシートチューブにめり込ませることに成功しています。リア全体として大胆に小さなトライアングルを形成しており、剛性確保と美しいスタイリングに寄与しています。
2 A22カーボンフレームのスペック
① 価格
こうした充実した設計を見てきた後で、68,785円(税込・送料込)というのは驚きの価格です。エアロカーボンハンドル付の仕様で79,380円(税込・送料込)となります。
② ブレーキ・ホイール
リム/ディスク両方の仕様が選べます。両方ともスルーアクスル指定となっており、タイヤは700-25Cか28Cの装着を設定しています。
③ 重量
リムブレーキ仕様が1430g±70g (フレーム1080g±50g、フォーク350g±20g)、
ディスクブレーキ仕様が1507g±70g (フレーム1119g±50g、フォーク388g±20g)
となっています。
④ サイズ
45/48/51/54/57㎝と豊富に揃い、たいていの日本人の体格に適合します。
3 バラ完のヒント
この記事を読みに来てくれているほどの人には説明するまでもないでしょうが、バラ完の良さは、自分の思い通りのロードバイクが組めることです。したがって、はじめてロードバイクを経験する人には少々ハードルが高いですが、次のような方法なら、充分に取り組める可能性があります。
コンポーネントをシマノ105で揃え、他は、エントリーレベルのパーツを使う方法です。
シートやステムは後々調整や交換が考慮される部分で、最初から高価なものを使う必要はありません。問題はホイールですが、これは、廉価なアルミホイールで予算を削るか、思い切って5~7万円のものを選ぶか二通りの選択肢があります。
ホイール代を抑えれば、フレーム代プラス15万円ほどで自分だけのロードバイクが組めることになりますし、これで充分レース出場も可能なレベルのものが完成することになります。
4 最後にひとこと
ICANの通販システムは、納品にいたるまでの相談が可能なシステムとなっています。
納得のいくフレーム選びができることでしょう。
コンタクトをお待ちしています。
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