ホームセンターの安い自転車の理由
自転車を出来るだけ安く買おうと思ったときにホームセンターやショッピングモールで買うことがあります。
値段で選ぶと変速機付きの完成車が1万円ちょっとで手に入ります。
いわゆるママチャリです。
気づいたら怖いノーブランドの自転車
1万円のママチャリのブランドがどこか見たことがあるでしょうか。
ブリヂストン?それともパナソニックでしょうか?
1万円では、そのような有名ブランドの商品は手に入りません。
ノーブランドです。
どこのメーカーが作ったものか分からない自転車です。
よく考えたら怖くないですか?
時速20kmとか30kmとかで走るのだけど、どこでどのように作られた自転車か分からないのです。
これらのノーブランドの自転車の多くは海外からの輸入品です。
それも大量生産の自転車で、安く作ることを目的として作られています。
材料費原価が安い
自転車で重要パーツの一つはタイヤではないでしょうか。
雨の日は滑るととても危険なので、詳しくなくても重要パーツだと分かると思います。
海外製の、それも質の良くないタイヤは安いです。
当然材料の粗悪品ですが、半年とか1年持てば良いと言う思い切った考えで作られています。
本体の鉄部分も材質が日本製と海外製では元々の物が違います。
日本の職人さんに話を聞いたことがあるのですが、錆びない金属としてステンレスが有名ですが、その材質の一つにSUS304と言いうよく使われるステンレスがあります。
職人さんは、この鉄を切るときに火花が飛ぶのを日常的に見ています。
海外製のステンレスにもSUS304相当の材料と言うのがあるので、価格の安さから仕入れたことがあるのだそうです。
そして、いつものように作業をすると、火花の飛ぶ距離も違うし、色も違うのだそうです。
それでもSUS304で作っているのだから、作った製品を納めると評判が良くないのだそうです。
日本の材料だとその材質と名乗っていい性能以上の材質をSUS304として販売されています。
海外製はSUS304の性能に達していればSUS304として販売されます。
仕様は満たしているのだから問題ない様に思えます。
しかし、製品になった時に差が出てきます。
一方は錆ないのに対して、同じ扱いをしても一方は錆びると言った具合です。
1つの部品でも差があるのですが、自転車1台で部品点数は数千点にも及びます。
1点1点の差の集合体が自転車で、価格差が一方は1万円、もう一方が5万円と差が出てくるのです。
安いことは消費者として嬉しいことではあるのですが、機能や安全が犠牲になっている可能性があるのです。
運送費が安い
筆者は大学生の時に自転車の輸入をしている会社でアルバイトしていたのですが、まさに(販売価格が)1台1万円程度の自転車を毎日整備して納めていました。
輸入は船便で入ってくるのですが、出来るだけコンパクトに納められてギュウギュウに押し込めらえて届いていました。
「工場」と呼ばれているところでは、コンパクトにされた自転車のハンドルの方向を正しい位置にしたり、ペダルを取り付けたり、ブレーキがきちんとかかる状態にして乗れる状態にするだけです。
社員さんも特別な技術がある訳ではありませんでした。
今思えば、給料もそれほど高くなかったのではないでしょうか。
自転車は、その後自社のシールを貼ったら量販店に納めます。
トラックに乗せて有名ショッピングモールなどに納めていたのです。
大学生のアルバイトなので、バイト代もかなり安かったのですが、お金がかかっている部分がほとんどなかったです。
アルバイトながらホームセンターなどへの売値(卸値)を見るチャンスがあったのですが、売値の半分くらいのびっくりするような値段でした。
仮に「あの金額を渡すから自転車を作れ」と言われたら、逆立ちしても出来ないような価格だったのを覚えています。
工賃が安い
大学生だった筆者のアルバイト代も「工賃」に含まれていたのでしょうが、バイト代がすごく安かったので、工賃もすごく安かったと思います。
自転車はトラックに乗せて運んでいたのですが、運ぶ時に自転車をぶつけることもありました。
フレームに傷が入ったりすることもあったのですが、それを見つけた社員さんが、持っていたボールペンで傷部分をなぞり、色を塗っていたのが印象的でした。
余りに衝撃的だったので、20年以上経過した今でも忘れられません。
この話は20年以上前の話なので、現在も同様とは言えません。
ただ、ちょっとした用事で、その「工場」の近くに行くことがあったのですが、まだその会社ありました。
その「工場」もその時のままにありました。
この記事でお知らせしたいこと
ここでお知らせしたいのは、海外製がダメという訳ではありません。
海外製でも優れた製品はたくさんあります。
実際、高い自転車、高いパーツのほとんどは海外製です。
お知らせしたいのは「安いものは安いだけの理由がある」という事です。
そして、犠牲になっているものの一つが「安全」である可能性があるのです。
せっかく自転車に乗られるのならば、あなたがイメージしている安全が確保された自転車を信用のあるお店で買いましょう。
ICANの商品紹介ページご覧になりましたか?
カーボンの材質は、素材からどこのメーカーのどの型式のものか公開しているのです。
素材から、変速機から、重要部品の多くは日本製だし、日本の有名メーカーの物なのです。
しかも、カーボンの加工の様子や、部品から1台完成までの組み立ての様子を公開されています。
ちゃんとまじめにやっていないとこういう動画を公開できませんよね。
どこかの知らない工場で作られる製品より、こうしてみることができる物は身近に感じて筆者は好きです。
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