自転車スマホでは何が起こっている!?事故例と罰則も
歩きスマホが危ないと話題になることもありますが、自転車を運転しながらスマホを操作している方もおられます。
漠然と危ないと分かるのですが、具体的にどう危ないのか考えてみました。
更に過去の実際の事故例と罰則についてもお知らせします。
街で見かける「ながらスマホ」で自転車運転
スマホ見ながら運転している人と言えば、デリバリー配達員がよく目につきます。
大きな荷物を背負っているので、目立つだけかもしれません。
Uber Eats配達員は「クエスト」と言う一定数以上の注文を受けることでさらに報酬を受ける仕組みの下、動いています。
しかも、配達依頼がスマホに届いたら1分以内に反応する必要があるのです。
2021年3月からスタートした京都と福岡の新料金体系の実験では、これが30秒だったという報告もあります。
他社でも、注文から1分以内に反応がある物は、どこかで配達員の方が反応しているということです。
彼らは彼らで生活のために1秒でも早くスマホの画面を見ないといけない状況みたいです。
スマホ自転車運転では何を見ているのか
上記の様にデリバリー配達員の方は、注文状況や配達先までの地図などを見ているようです。
多くの配達員の方が、スマホホルダーを使っているようで自転車本体に固定して使われているのですが、少ないとはいえ操作を伴うのは危険です。
その他、配達員の方でなくてもゲームをしている方もおられるようです。
ポケモンGOやドラクエウォークなど移動するタイプのゲームです。
どちらも自動車などで移動した場合は移動がカウントされない様に改善されていますが、ポケモンGOでは時速10km以下、ドラクエウォークでは時速15km以下ならばカウントされるという話もあります。
歩いて移動すると疲れてしまうので、自転車を使って距離を稼いでおられる方もおられるのです。
この場合も操作を伴うので、危険なことは間違いありません。
具体的にどう危ないのか
運転している人にとっては、「一瞬」なのかもしれませんが、自転車の平均速度を時速15km程度と考えると、たった5秒で約21mも進みます。
画面を見て、内容を確認して、戻る、これだけで5秒程度はかかります。
操作をしていたらさらに時間は伸びてしまうでしょう。
一般的なプールの長さは25mですが、あれと同じくらいの距離を周囲も見ずに走行していると考えると恐ろしいことです。
過去の事故例と罰則
過去に実際に起きた事故例と判例を見てみましょう。
2017年12月神奈川県川崎市の例
電動式自転車に乗りながらスマホ操作をしていた女子大生(20)が、歩行中の77歳の女性と衝突し、歩行者が死亡。
しかも、調べてみると、耳にはイヤホン、左手にスマホ、右手には飲料カップを持っていた。
2018年8月、この女子大生に禁錮2年が求刑された。
2019年6月兵庫県伊丹市の例
信号のない交差点で、スマホを見ながら自転車運転していた女子高校生が歩行中の男性(70代)をはねた。
男性は一時意識不明の重体、意識が戻った後も意思疎通に困難になった。
この女子高校生は、2019年10月に重過失障害の疑いで書類送検された。
ネットでは上記2件がよく取りあげられます。
自転車スマホで死亡事故になったり、裁判になったりするケースは少ないですが、確実にあります。
中々全国的な件数をまとめたデータは少ないのですが、2020年の東京都に限っても年間1万件を超えていて、毎年増えています。
(警視庁 交通統計・交通事故発生状況より)
自転車スマホは、道路交通法違反です。
「道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項」を遵守する義務があります。(道路交通法第70条の安全運転の義務、道路交通法第71条1項6号)
違反した場合、5万円以下の罰金が科せられることがあります。
東京都では自転車を運転するときは、運転中にスマートフォンを保持して通話したり、画面を注視したりすることが禁止されています。(東京都道路交通規則第8条)
さらに、自転車運転中のスマホ操作などで道路交通法第70条の「ハンドル、ブレーキその他の装置に対する確実な操作」ができないと判断された場合、2015年6月1日より施行された改正道路交通法における、自転車による危険行為とみなされることもあります。
まとめ
自転車スマホは、周囲の人にとって危険な行為です。
画面を見る一瞬、画面を操作する一瞬で20m~30mは進んでいるのです。
過去には死亡事故につながったケースもあり、自転車が加害者になることもあります。
自転車での事故数は年々増えています。
損害賠償の額も莫大になっていて、自転車保険への加入が義務化している県もある程です。
自分や家族を守るためにも自転車スマホは危険なので絶対に止めましょう。
逆に、歩行中はいつも以上に自転車に注意する必要がありそうです。