1か月間放置した自転車を再度乗れるようにするのに必要なメンテナンスとは
退院後、自転車に乗ろうと思ったらさすがにそのままでは乗れなくて、メンテナンスが必要でした。
そこで、今回は「1か月間放置した自転車を再度乗れるようにするまでに必要なメンテナンス」と銘打って、どこに手を入れたかをご紹介します。
また、人によっては自転車店に持ち込まれると思いますので、その時のポイントなどもまとめました。
まずは、全体を拭く。
■拭く
なによりも、汚れていたらメンテも嫌になってしまいます。
汚れているフレームなどを拭くところから始めてみましょう。
何度かメンテナンスについて別の記事でお知らせしていますので、メンテ時にあると便利な道具はおなじみの物ばかりです。
あえて言うなら、これに「細い棒」と潤滑油としてクレ556を準備しました。
油汚れみたいな黒いものは、水拭き、洗剤、クレ556のどれでも落ちませんでした。
もう少し元気がある時に、少しいい洗剤を使ってみたいと思います。
狭いところは、ウェスと細いところに詰め込む棒が便利です。
洗剤とウェスだけで、指が入らないようなかなり狭いところまできれいになりました。
リムとスポークもかなり汚れていました。
こちらは、洗剤とウェスだけで割ときれいになりました。
リムは比較的凹凸がないのでいいのですが、スポークはそのままだと結構汚れが固着して取れにくくなるようです。
今回はストローの様な樹脂のカバーを付けていたので簡単に拭きとれました。
好き嫌いはあると思いますが、メンテ性を上げるためには有効かと思います。
それでは、チェックポイントから
■タイヤの空気圧
一番わかりやすいポイントとして、タイヤの空気圧を上げないといけませんでした。
タイヤを指で押したら凹むほど空気が減っていました。
空気入れで適圧まで追加する必要があります。
万が一、家に空気入れがない場合は、絶対勝った方がいいです。
経験から言えば、ゲージ(空気圧計)付きのものがお勧めです。
■ブレーキワイヤー
ブレーキが効くかは安全上、とても重要です。
ブレーキレバーを握ってブレーキが効くかだけではなく、サビなどないかご確認ください。
■チェーン
1か月間でチェーンがサビることはなかったようですが、油が切れていたり、放置期間がもっと長い場合は注意が必要です。
そもそも放置前から劣化していたら、再度乗る前にチェックしておきたいですね。
■サビ取り
フレームなどに錆がある場合、自分でとるのがいいでしょう。
ホームセンターなどにサビ取りクリームが売られています。
それを使うと面白いくらいサビが取れることがあります。
サビの種類によっては、クリームが合わずあまり効果がないこともあるのですが、そんな時は複数の商品を試すことで解決することができる可能性があります。
サビ取りは自転車店で受けてもらえません。
正式にお店に「当店はサビ取りは致しません」と書かれたところはないと思いますが、頼んでもあまりいい顔はされません。
その理由は、結果が約束できないからです。
部品交換などの場合、部品さえあれば確実に交換できます。
ねじなどが朽ちている場合は、先にリスクを説明して両料を得てから作業を進めると思います。
一方で、サビはプロでもやってみないと分からないのです。
サビ取りには、大きく分けて2種類の方法があります。
一つ目は機械的・物理的にサビを落とす方法です。
グラインダーやバフと呼ばれる柔らかい布のようなものを当てて、すごい勢いで擦ります。
重に仕上げの時などに使われますが、効果があるところではステンレスなど鏡のようになります。
ただ、落ちないサビの部分では何かが染みついたような跡が残り、いくら磨いてもそれは落ちません。
もう一つの方法が、化学的な方法でさびを落とす方法です。
簡単に言うと、サビは「酸化」という化学反応なのだから、「還元」という逆の反応をさせると元に戻る計算になります。
ただ、一口にサビと言ってもたくさんの種類があるので、期待した効果が得られないことがあるのです。
プロでも、目立たないところで試してから全体に取り掛かる程です。
一度サビてしまうと戻すのは難しいので、なるべくサビさせたくないところです。
ご自分で全てのメンテナンスができればいいのですが、工具や道具が無かったり、知識や経験が不足していることもあります。
そんな時は、近場のプロにお任せするのがいいでしょう。
そんなときの注意点です。
■自転車店にメンテナンスを依頼するとき
自転車店でメンテナンスを依頼する場合は、全体をできるだけ拭いてきれいにしてから持って行くと良いでしょう。
自転車店のスタッフだって人の子です。
汚い自転車を見ると「これは大変だ」と思って、作業内容にあれもこれも追加してしまい、結果見積金額が高くなってしまいます。
一方で、きれいにしていけば「これは大事にしているな」と伝わりますので、既に手が入っているであろう部分の作業は見積もりから外れてきます。
同じ自転車でも10分、15分の手間だけで見積もり結果に大きく差を生むのですから、やらない手はありません。
次に伝え方です。
「安くメンテナンスしたい」というと、手を入れる項目をどんどん減らしていきますので、実質意味のないメンテナンスにお金を払うことになります。
「安全を考慮して、ブレーキの確認、パンクは困るのでタイヤの確認、その他、チェーンの確認、各可動部の確認がしたいけど、できるだけ安くしたい」などポイントを押さえて相談することで、自転車屋さんの提案もだいぶ変わってきます。
「タイヤはまだ溝があるので、そのままでチューブだけ交換するのはどうか」などコストと内容のバランスがいい提案が出てくる可能性があります。
外部ライター:奥野 晃一