【実走1,000kmレビュー】AERO40 IIの実力を検証
軽量カーボンホイールを探していると、必ずと言っていいほど目にするのが「軽い」「よく進む」「コスパが良い」といった言葉です。
しかし実際のところ、本当に価値のあるホイールかどうかは、スペック表だけでは判断できません。
今回、オランダの自転車専門レビュアー「Cycling Professor」様に、ICAN AERO40 IIを約1,000kmにわたりテストしていただきました。
雨天走行、横風、高速巡航、荒れた路面など、さまざまな環境で使用された結果、AERO40 IIについて非常に興味深い評価をいただいています。
この記事では、その内容を日本のユーザーの皆様向けにわかりやすくご紹介いたします。
なぜ1,000kmテストが重要なのか
ホイールのレビューは数十km程度の試乗でも可能ですが、それだけでは本当の性能は見えてきません。
新品のホイールはスポークテンションやハブ内部の当たりがまだ完全に馴染んでおらず、長期間使用することで初めて本来の性能が発揮される場合があります。
今回のテストでは約1,000kmという十分な距離を走行。
さらに冬季のヨーロッパ特有の悪天候の中で実施されたため、
・雨水の侵入はないか
・スポークテンションは安定するか
・ハブの回転性能は維持されるか
・ホイールの振れは発生しないか
といった長期耐久性まで確認されています。
まず驚かされたのは実測重量
AERO40 II最大の特徴のひとつがその軽さです。
40mmハイトのディスクブレーキ用ホイールでありながら、実測重量は約1177g。
近年では多くのブランドが軽量モデルを発売していますが、同クラスの重量を持つホイールは一般的に20万円〜40万円以上になるケースも少なくありません。
一方でAERO40 IIはそれらと比較して圧倒的に手の届きやすい価格帯を実現しています。
単純な軽量化だけでなく、実際の走行性能とのバランスがどうなのかが今回の注目ポイントでした。
23mm内幅が生み出す現代的な乗り味
近年のロードホイールは「軽さ」だけでなく「リム内幅」が重要視されています。
AERO40 IIは23mmのワイドリム設計を採用しています。
これにより28Cや30Cタイヤとの相性が非常に良く、タイヤ本来の性能を引き出しやすくなっています。
テストでは28mmタイヤを中心に使用されましたが、35mmタイヤも問題なく装着可能であったとのこと。
ワイドリムのメリットとして、
・転がり抵抗の低減
・快適性の向上
・コーナリング時の安定感向上
・チューブレス性能の向上
などが挙げられます。
近年増えているオールロード用途にも十分対応できる設計といえるでしょう。
実際の走行フィールはどうだったのか
レビュアーが最も印象的だったと語っていたのは、軽量ホイールでありながら過度に硬すぎない点でした。
近年ではカーボンスポークを採用した超高剛性ホイールが増えています。
確かに反応性は優れていますが、その一方で路面からの振動がダイレクトに伝わり、長距離ライドでは疲労につながるケースもあります。
AERO40 IIはSapim CX-Rayスポークを採用。
世界中の高性能ホイールで採用され続けている定番スポークですが、その理由は軽量性だけではありません。
適度なしなやかさを持ち合わせており、快適性と剛性のバランスに優れているからです。
実走レビューでも、
「反応は鋭いが神経質ではない」
という評価をいただきました。
ヒルクライム、平坦巡航、ロングライドなど、あらゆるシーンで扱いやすい特性が感じられたようです。
横風への安定性も高評価
40mmハイトという高さは、エアロ性能と扱いやすさのバランスが非常に良いカテゴリーです。
実際にヨーロッパの強い横風環境でもテストが行われましたが、不安を感じるような挙動は少なかったとのこと。
特に軽量ホイールは横風で振られやすいイメージがありますが、AERO40 IIは安定感を維持しながら巡航できたと評価されています。
ヒルクライムだけでなく平坦巡航でも速度維持しやすく、オールラウンドホイールとして高い完成度を感じていただけたようです。
ハブ性能は走行距離とともに進化した
今回のテストで興味深かったポイントがハブの変化です。
新品状態では若干の馴染み期間があり、走行初期には内部機構がわずかに硬く感じられる場面もあったそうです。
しかし500kmを超えたあたりから徐々にスムーズになり、700km付近では違和感が完全になくなったとのこと。
機械部品である以上、ある程度の慣らし運転は避けられません。
むしろ走行距離とともに本来の性能へと近づいていったことは、精度の高い設計である証拠とも言えます。
45Tラチェットが生むダイレクトな加速感
AERO40 IIには45Tラチェットシステムを採用しています。
ペダルを踏み込んだ瞬間に力が伝わる感覚は非常に鋭く、ダンシングや加速時の反応性にも優れています。
ストップ&ゴーが多い街中やアップダウンのあるコースでは特に恩恵を感じやすく、ライダーの入力に対して素直に応えてくれる印象です。
高額ホイールと比較しても遜色ないレスポンスがあるという評価をいただきました。
雨天テスト後の内部点検結果
今回のレビューで最も安心材料になったのが、テスト後のハブ内部点検でした。
約1,000kmの走行後、ハブを分解して内部状態を確認したところ、
・グリスは非常に綺麗な状態を維持
・水分侵入なし
・砂や汚れの侵入なし
という結果だったそうです。
雨天走行を繰り返したにもかかわらず、シール性能の高さが確認されました。
日常的に通勤やロングライドで使用される方にとって、この耐久性は大きな安心材料になるでしょう。
1,000km走行後も振れなし
さらにテスト終了後に振れ取り台で確認したところ、ホイールはほぼ完璧な状態を維持していました。
軽量ホイールではスポークテンションの変化によって振れが発生することがありますが、今回の個体ではそのような問題は確認されませんでした。
リム、スポーク、組み付け精度のバランスが高いレベルで成立していることが証明された結果といえます。
コストパフォーマンスという最大の武器
現在、多くの軽量カーボンホイールが高価格化しています。
性能向上は歓迎すべきことですが、その一方で価格が30万円を超えるモデルも珍しくありません。
AERO40 IIは、そのような市場の中で「現実的な価格で高性能を提供する」というコンセプトを体現したモデルです。
軽量性、空力性能、耐久性、快適性。
どれか一つだけ突出しているのではなく、総合的な完成度の高さが今回のレビューからも伝わってきました。
総評
Cycling Professor様による約1,000kmの長期レビューを通じて見えてきたのは、AERO40 IIが単なる「安いカーボンホイール」ではないということです。
1177gという軽量性。
23mmワイドリムによる現代的な設計。
信頼性の高いSapim CX-Rayスポーク。
優れたシール性能を持つ45Tラチェットハブ。
そして長距離走行後も維持された高い真円性。
これらすべてを考慮すると、AERO40 IIはヒルクライムからロングライド、さらにはオールロード用途まで幅広く対応できる非常に完成度の高いホイールだと感じています。
「できるだけ軽いホイールが欲しい」
「有名ブランドに負けない性能を求めたい」
「価格と性能のバランスを重視したい」
そんなライダーにとって、AERO40 IIは間違いなく有力な選択肢のひとつになるでしょう。
私たちICAN JAPANとしても、多くのお客様に実際の走りでその性能を体感していただきたいと思っています。


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