ICAN Graro カーボングラベルフレーム 徹底レビュー ― Lorenzo Del Sant が語る「妥協しないグラベルバイクの作り方」
グラベルバイクを本気で組もうとしたことがある人なら、一度はこう思ったはずだ。
「結局、高性能を求めると、とんでもなく高くなる」
「有名ブランドを選べば安心だけど、価格はフレームだけで数十万円」
「価格を抑えると、品質や設計が本当に大丈夫なのか不安になる」
私自身、長年ロードとグラベルの両方を乗り込んできたが、“納得できる性能・設計・価格”の三拍子が揃うフレームを探すのは、正直かなり難しい。
そんな中で始めたのが、今回の 「Gravel Project」。
テーマはシンプルだ。
「100% 中国系ブランドのパーツだけで、プロレベルと真っ向から戦えるグラベルバイクは作れるのか?」
そして、そのプロジェクトの“核”として選んだのが
ICAN TRIAERO GRARO カーボングラベルフレーム だった。
結論から言おう。
これは「安いから選ぶフレーム」ではない。
“理にかなっているから選ぶフレーム” だ。
なぜ ICAN Graro を選んだのか?
私は以前から ICAN の設計思想には注目していた。
理由は単純で、「価格に対して、やっていることが異常に真面目」だからだ。
Graro はいわゆる“オープンモールドの安価フレーム”とは明らかに違う。
設計・素材・規格の選び方に、明確な意図と将来性がある。
しかも、ICAN は単なるグラベル専業メーカーではない。
同じファクトリーから生まれたロードフレーム Quick Pro R1 は、
若手ライダー Harry Ozon が世界ジュニア選手権を制した実績もある。
つまりこれは、
「レースで勝つためのカーボン技術」が
グラベルフレームにも本気で投入されている、ということだ。
プロレベルのカーボン素材を、惜しみなく使う
「価格が抑えめ=素材もそれなり」
そんな先入観は、Graro には当てはまらない。
ICAN TRIAERO Graro では、Toray(東レ)の高弾性カーボンを部位ごとに使い分けている。
-
Toray T1000
→ BB周りや高負荷エリアに使用。高剛性・高反応性を確保 -
Toray T800 / T700
→ フレーム全体の重量バランスと縦方向のしなやかさを両立
この組み合わせにより、
「踏めば進む剛性感」と「長時間でも疲れにくい乗り味」を同時に成立させている。
スペックだけを見ると、
ハイエンドブランドのフレームと同等、もしくはそれ以上。
それがこの価格帯で手に入るのは、正直かなり衝撃的だ。
カスタムペイントという“楽しみ”まで用意されている
Graro のもう一つの大きな魅力は、塗装の自由度だ。
大手ブランドの場合、
「今年はこの2色だけ」「来年まで待ってください」
そんな制限が当たり前。
だが ICAN は自社塗装工場を持ち、カスタム対応が非常に柔軟だ。
-
プロチーム風のレプリカカラー
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マット仕上げ、グロス仕上げ
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完全オリジナルデザイン
-
なんと“猫のイラスト”を描いたフレームまで存在する
私自身は最終的に、
グレー×ブラックのグロス仕上げを選んだが、
Instagram を眺めているだけでも、選択肢の多さに驚かされる。
「性能だけでなく、所有する喜びも大事にしたい」
そんな日本のサイクリストにも、間違いなく刺さるポイントだ。
空力と整備性を両立したケーブル内装設計
フル内装ケーブルは見た目こそ美しいが、
整備のたびに地獄を見る…という経験は誰しもあるだろう。
Graro では Blade R ハンドルシステムを採用。
ハンドル内でケーブルをまとめ、ヘッドに入る直前で処理する構造だ。
これにより、
-
見た目はスッキリ
-
完全フル内装より圧倒的に整備しやすい
-
輪行やポジション変更も現実的
という、非常にバランスの良い設計になっている。
正直、サイズ展開(ステム長とハンドル幅の組み合わせ)には
少しクセはあるが、**「使う側のことを考えた内装設計」**という点は高く評価したい。
将来性を見据えた最新規格をフル装備
Graro は「今」だけでなく「これから」も見据えている。
● T47 BB(86mm)
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高剛性
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ネジ切り式でトラブルが少ない
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異音リスクが極めて低い
● SRAM UDH 対応
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最新 12速 / 13速 drivetrain に対応
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SRAM T-Type(フルマウントRD)も視野に入る
● 最大45mmタイヤクリアランス
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グラベルレース
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ロングライド
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バイクパッキング
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さらには 33mm でシクロクロス運用も可能
**1台で何役もこなせる“本物のオールラウンダー”**だ。
実測重量はどうなのか?
私は重量に関してはかなりシビアに見るタイプだ。
そこで、すべて実測した。
(※ スルーアクスル、ハンガー、ボルト類すべて込み)
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フレーム:約1170g
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フォーク:535g
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Blade R ハンドル:360g
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シートポスト:150g
フォークにはバイクパッキング用のボルト穴が多く、
「レース用途だけなら少し重い」と感じる人もいるかもしれない。
だが、それを差し引いても、
フレーム重量は明らかにハイエンドクラスだ。
内部仕上げも妥協なし
カーボンフレームで本当に差が出るのは、見えない内側だ。
エンドスコープはうまく使えなかったが、
BB周り・ヘッド周りを目視で確認した限り、
-
レジン溜まりなし
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バリなし
-
内壁は非常にクリーン
「安いから雑」という印象は、一切受けなかった。
まとめ:もはや「安い中国カーボン」の時代ではない
ICAN TRIAERO Graro は、
“価格で選ばれる存在”から完全に一線を画している。
-
プロレベルのカーボン素材
-
最新規格への完全対応
-
実用性を考えた設計
-
カスタムペイントという付加価値
これらを考えると、
「有名ブランドでなければ不安」という時代は、
確実に終わりつつあると感じる。
次は、実際にこの Graro を完成車として組み上げ、
レースとハードなライドで徹底的に試すつもりだ。
果たして、
“ブランド料”に何十万円払う意味は、まだ残っているのか?
今のところ、私の答えは限りなく NO に近い。
▶ ICAN Graro フレームを検討している方へ
-
カーボン性能に妥協したくない
-
将来のパーツ規格にも対応したい
-
自分だけの1台を作りたい
そんな日本のサイクリストにこそ、
この Graro は一度、本気で検討する価値がある。


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