中国ブランドだけでロードバイクを組むと、どこまで走れる?|ICAN Flyeeをベースに約7.2kgのロードバイクを構築
近年、ロードバイクの世界でも中国ブランドの存在感が高まっています。
カーボンフレームやホイールだけでなく、電動変速システム、パワーメーター、ハンドル、アクセサリーに至るまで、さまざまな製品が登場しています。
では、実際に中国ブランドの製品を中心に一台のロードバイクを組み上げたら、どのようなバイクになるのでしょうか。
今回のプロジェクトでは、その疑問を実際のロードバイクで検証しました。
ベースとなったのは、ICAN Flyeeカーボンロードフレームセット。
そこに、ICAN BLADE-Rインテグレーテッドコックピット、WheelTop EDS TX電動変速システム、Magene TEO P515パワーメーター付きクランク、Superteamカーボンホイールなどを組み合わせました。
完成したロードバイクの重量は、ペダルなしで約7.2kg。
主要パーツを含めた車体価格は約120万円です。
今回は、パーツ選びから組み立て、そして実際に走って感じたことまで紹介します。
ベースとなったICAN Flyee
今回のバイクの中心となるのが、ICAN Flyeeフレームセットです。
中国では現在、非常に多くのカーボンフレームが製造されています。しかし、すべての製品が同じ品質というわけではありません。
Flyeeを実際に手に取ってまず感じたのは、シンプルで洗練されたデザインです。
最近のエアロロードに見られるような極端に複雑な形状ではなく、クラシカルなロードバイクらしさを残したシルエット。
個人的には、このデザインが非常に好印象でした。
FlyeeにはToray T700、T800、T1000カーボンが使用されており、フレーム重量は約900g。
軽量性だけを追求するのではなく、剛性や快適性とのバランスを考えた設計になっています。
また、UDH(Universal Derailleur Hanger)、T47ボトムブラケット、機械式変速への対応など、現代のロードバイクに求められる実用的な規格も採用されています。
特に気に入ったのが、27.2mm径の丸型シートポストです。
専用形状のシートポストと比べて選択肢が多く、適度なしなりによる快適性も期待できます。
軽量性だけではなく、整備性や汎用性にも配慮されている点がFlyeeの魅力です。
Flyee専用設計のBLADE-Rコックピット
Flyeeフレームセットには、インテグレーテッドコックピットは標準装備されていません。
これはフレームセットの価格を1,000ドル以下に抑えるための構成とも考えられます。
しかし、Flyeeには専用設計されたコックピットがあります。
それがICAN Triaero BLADE-Rです。
フレームと組み合わせることで、フロント部分が非常にすっきりとまとまり、Flyeeのデザインをより完成度の高いものにしてくれます。
BLADE-Rはフルカーボン製で、リーチ70mm、ドロップ125mmというコンパクトな設計。
ケーブル類はフル内装に対応し、ブレーキホースだけでなく、必要に応じてシフトケーブル用のガイドにも対応しています。
今回選択したのは420×100mmモデル。
ドロップ部分は外側へ少し広がるフレア形状になっており、トップ部分は約400mm幅です。
最初は「420mmを選んだのにトップが400mmなのは狭くないだろうか」と心配していましたが、実際に走ってみると問題ありませんでした。
むしろ、ドロップ部分のフレア形状が、山道や下りコーナーでの安定感に大きく貢献しています。
スペーサーは5mm、10mm、20mmが付属し、最大35mmまで5mm単位でハンドル高を調整できます。
また、サイクルコンピューター用には標準的な2ボルト式マウントを採用しています。
WheelTop EDS TXで電動変速化
今回のプロジェクトで大きな挑戦となったのが、WheelTop EDS TXです。
ロードバイクの変速システムは、操作感や信頼性に直結する重要なパーツ。
そのため、長年にわたってShimanoやSRAMなどの大手メーカーが高いシェアを持っています。
そんな中で、WheelTopは独自の設計思想を持つ電動変速システムを展開しています。
EDS TXは、ディレイラー側にバッテリーを搭載することで、複雑な配線を必要としないシンプルな構成が特徴です。
実際に組み立ててみると、ブレーキシステムは比較的スムーズにセットアップできました。
一方、変速システムの調整には少し慣れが必要でした。
特にチェーン長やディレイラーの位置、フロントディレイラーの高さ・平行度などに対してシビアです。
実際、初期調整後にチェーンをさらに2コマ短くする必要がありました。
専用アプリも一般的な機械式変速とは操作方法が異なるため、初めて使用する場合は十分な調整時間を確保したほうがよいでしょう。
ただし、適切に調整できれば実際に使用することは可能です。
この点については、今後の長期テストでも引き続き検証していきます。
Magene TEO P515パワーメーター付きクランク
クランクには、Magene TEO P515を採用しました。
これまでパワーメーター付きのロードバイクを使用した経験はありませんでしたが、今回のプロジェクトでは新しいパーツにも挑戦することにしました。
TEO P515はカーボンクランクを採用し、SRAM DUB規格に対応する28.99mm径のスピンドルを搭載。
手に取ったときの質感も非常に良く、今回使用した中国ブランド製品の中でも、特にプレミアム感を感じたパーツのひとつです。
チェーンリング付きモデルを選択しましたが、完成したバイクとの相性も良く、全体の印象を引き締めてくれました。
中国ブランドだけにこだわらないパーツ選び
今回のバイクは中国ブランドを中心に構成していますが、すべてを中国製品に統一したわけではありません。
タイヤには実績のあるContinental Grand Prix 5000 28mmを使用。
チェーンにはKMC X12、サドルにはSelle Italia Flite Flowを選択しました。
また、ペダルについても身体に合う仕様を優先し、使い慣れたUltegra +4mmを使用しています。
ロードバイクは多くのパーツを組み合わせて完成するものです。
ブランドを統一することよりも、それぞれのパーツに求める性能や使いやすさを優先することが重要だと考えました。
完成重量は約7.2kg
パーツが揃ったところで気になったのが、完成車の重量です。
ペダルなし、パーツごとの計測では7,103g。
完成車を吊り下げ式のスケールで計測したところ、7,175gでした。
測定方法やスケールによる誤差は考えられますが、それでも7.2kgを下回る重量は非常に印象的です。
さらに軽量化を優先する場合は、スプロケットやローターなどを軽量モデルへ変更することで、計算上は約6.9kgまで下げることも可能です。
つまり、今回の構成は軽量性と実用性のバランスを重視した仕様と言えます。
約120万円で完成したロードバイク
今回のパーツ構成では、完成したロードバイクの価値は約120万円。
もちろん、カスタムビルドには工具や組み立てに必要な知識、作業時間なども必要です。
一方で、完成車にはブランド価値、販売店によるサポート、保証、アフターサービス、中古市場でのリセールバリューなどがあります。
そのため、価格だけで完成車とカスタムビルドを単純比較することはできません。
それでも、自分の目的に合わせてパーツを選択し、予算を配分できることはカスタムビルドならではの魅力です。
実際に走って感じたFlyeeの魅力
完成したバイクで最初に走ったとき、強く感じたのが軽快なハンドリングでした。
街中でのライドでは非常に好印象。
その後トレーニングに出ると、最初の15kmほどは変速調整の問題もあり、少し苦戦しました。
しかし、調整が進み、1時間ほど走った頃にはバイクそのものの特性がはっきりと分かってきました。
そして感じたのが、
「このバイクはかなり速い」
ということでした。
Flyeeはコーナーへの進入がスムーズで、ハンドル操作に対する反応も素直。
軽快でありながら、必要な場面ではしっかり安定しています。
特に山道の下りでは、BLADE-Rのフレア形状が大きなメリットになりました。
420mmモデルでもトップ部分は約400mmですが、ドロップ部分が広がっているため、下りコーナーではしっかりとした安定感があります。
横風の中でも比較的安定しており、スポーティーな走りを楽しめるロードバイクだと感じました。
最初は少し慣れが必要
一方で、誰が乗っても最初から快適というわけではありません。
初回のライドではハンドルに体重を預けすぎてしまい、手のひらにしびれを感じました。
しかし、2回目には体幹を意識して走ることで改善。
また、今回はフォークコラムを10mm長めに残し、必要に応じてスペーサーを追加できるようにしています。
ロードバイクでは、フレームやパーツの性能だけでなく、最終的に自分の身体に合ったポジションを作ることが重要です。
今後、走行距離を重ねながら最適なポジションを探していく予定です。
まとめ|中国ブランドの現在地を体感できる一台
今回のプロジェクトでは、ICAN Triaero Flyeeを中心に、中国ブランドのパーツを組み合わせて一台のロードバイクを完成させました。
完成重量は約7.2kg。
主要パーツを含めた価格は約120万円。
そして、実際に走ってみて最も印象に残ったのは、単純な「価格の安さ」ではありません。
軽快なハンドリング、スポーティーな走行感、そして一台を自分で作り上げる楽しさ。
これらを実際に体験できたことが、今回のプロジェクトで得られた最大の収穫でした。
特にFlyeeとBLADE-Rの組み合わせは、デザインと走行性能の両面で非常にバランスが良く、現代的なロードバイクらしい一体感を感じさせてくれます。
もちろん、すべてのパーツが完璧というわけではありません。
WheelTop EDS TXのように、セットアップに時間が必要な製品もあります。
だからこそ、スペックだけでは分からない部分まで、実際に組み立て、走り、長期間使用して検証することに意味があります。
今後は、Flyeeフレームセット、BLADE-Rコックピット、WheelTop EDS TX、Magene TEO P515、Superteam S-All Carbon Ultra H2など、それぞれの製品についてさらに詳しくレビューしていく予定です。
中国ブランドのロードバイクは、いまどこまで進化しているのか。
その答えを、実際の走行を通じてこれからも検証していきます。


![AERO 40 Ⅱ ディスクブレーキホイール[リム内幅23mm] - ICANホイールジャパン](http://icanjp.com/cdn/shop/files/1_d90bc651-48bd-4f22-9e13-6d963c283ba6_165x.jpg?v=1753869976)
![AERO 50 Ⅱ ディスクブレーキホイール[リム内幅23mm] - ICANホイールジャパン](http://icanjp.com/cdn/shop/files/ICANAERO50IIDiscWheels_1_165x.jpg?v=1758088613)


![FL40Ⅱ ワイドリムロードカーボンホイール 軽量「内幅23mm] - ICANホイールジャパン](http://icanjp.com/cdn/shop/files/1_771b4686-2e73-4d35-b47c-b123b298f7f7_165x.jpg?v=1755486826)




