東京オリンピック自転車競技日本女子初の銀メダル!
前回、オーストリアの数学者選手がロードで金メダルを獲得した記事を書きました。
その時「日本は自転車競技に置いてメダルはゼロです」と書きましたが、最終日に(記事の締め切り後に)日本人選手がやってくれました!
締め切りのこともあったのですが、まさか日本人が自転車競技でメダルを取れるなんて思っていなかったので嬉しい誤算でした。
銀メダリストの梶原 悠未さんに敬意を表して今回は東京オリンピックで活躍した梶原さんについて、自転車に注目してお知らせしたいと思います。
萩原 悠未さんプロフィール
梶原 悠未(かじはら ゆうみ)さん、1997年4月10日生まれで24歳。
埼玉県和光市出身。
小学生の時から、書道、ピアノ、バレエ、水泳を習っていて、高校生の時に水泳を続けながら自転車を始めています。
そう考えると、まだ自転車を始めてから長くて8年くらいと言うことになりますね。
2014年には、ジュニア世界選手権自転車競技大会・ポイントレース 2位、全日本選手権ロードレース・女子ジュニア + U-17 優勝と華々しくデビューして、その後も順調に活躍しておられたみたいです。
オムニアムとは
今回、梶原さんがメダルを獲得された「オムニアム」とは、自転車トラックレースの複合競技で、1日間に4つの種目を全て行い、その成績をポイントに置き換えて順位を決定する物らしいです。
英語で言えば「オムニバス」で「総合」のような意味なのかもしれませんね。
ちなみに、その4種目とは「スクラッチ」「テンポレース」「エリミネーション」「ポイントレース」となっています。
正直1つもどのようなレースなのか分かりませんでしたので、こちらも調べました。
スクラッチ
全てのレースは、トラックの中で行われます。
競輪の様にカーブのところは傾斜が付いていて、テレビの映像で見ると「坂」に見えますが、実際にコースに立つと「壁」の様に見えます。
最大傾斜は45度です。
選手はあの傾斜部分を走っているのです。
ちなみに、素人だと坂の上の方に行くのは難しいそうです。
ヨーイ・ドンでスタートではなく、競輪の様にとりあえずスタートして、その後に号砲が打たれて正式スタートです。
男子10 km、女子7.5 ㎞の距離を走って着順を競うレースです。
トラック1周は250mと決まっているようなので、男子は40周、女子は30周走ることになります。
周回遅れの人はトラックの外に外れないといけないと言う厳しいルールになっています。
テンポレース
こちらも速い人が勝つレースですが、男子10 km、女子7.5 kmで、毎周回ごとに先頭の選手にのみ1点が与えられるレースです。
とにかく先頭にならないとポイントが入りません。
そして、周回遅れの選手に追いつくと20点がもらえるようになっています。
ここでも周回遅れの人に厳しいレースとなっています。
エリミネーション
スクラッチの様に1周のニュートラルラップの後、スターターの号砲でスタートします。
2周ごとに最下位の選手が脱落していき、最後に2人になったところで、一騎打ちとなります。
最後の1周のマッチレースで勝敗を決めるレースです。
ポイントレース
1周のニュートラルラップの後スターターが号砲を打ち、そこから男子25 ㎞、女子20 ㎞を走破します。
10周ごとにポイントが入り、1位5点、2位3点、3位2点、4位1点、5位以下は0点。
ゴール地点のポイントは2倍。
1周差を付け集団最後尾に追いついた場合は20点加算。
周回遅れで先頭に追い付かれたら20点を失う。
男子でも40周なので、ずっと1位だったとしても20点にしかならず、20点引かれた時点で負け確定と言えます。
今回の東京オリンピックでの梶原選手の得点
ルールが分かると面白くなってきます。
今回の梶原選手の活躍ぶりをポイント中心に見ていくと以下のようになります。
1種目のスクラッチレースはとにかく速い人がポイントと取る競技です。
2位だったので38ポイント獲得したようです。
2種目のテンポレースでは32ポイント獲得。
途中他の選手に接触して梶原選手は転倒しました。
破れたジャージのままでレースに復帰したことがニュースや新聞でも取り上げられていましたね。
全部で40周なので、最高40ポイントのところ、32ポイントなので転倒したことを考えれば大健闘だと言えます。
ちなみに、他選手の5周以内に落車した位置に戻れば、周回遅れとされないのだとか。
戻れなければ棄権扱いとなる危ない場面だったのです。
3種目のエリミネイションレースで2位38ポイント。
遅い人からコースから排除されていくレースなので、最後の最後まで生き残った結果でした。
4種目のポイントレースでのポイントを知らせたニュースサイトなどがなかったのですが、1位とは2ポイント差だったみたいです。
2ポイント差で2位の銀メダル。
オムニアムの自転車
オムニアムの自転車をよく見ると、基本的にロードバイクと似ています。
梶原選手が最後自らの自転車を持ち上げて喜びを表しているときに自転車が良く見えるのですが、ブレーキもギアもない、当然泥除けもない走るためだけに生まれた自転車ですね。
そして、リムの見慣れた模様はカーボンに違いありません。
ギアはペダル側が異常に大きく、タイヤ側は比較的小さいみたいです。
最大ギア比(一番重いの)で常に走っていると考えたら、走り始めのペアルの重さはロードバイクに乗られている方なら容易に想像できるでしょう。
漕ぎだしから最高速の時まで決まった段でのみ走るのですから、最高速でのギアに合わせないといけないのでしょう。
梶原選手の太ももがウエストとほとんど変わらないくらい太いのも納得できます。
ご本人もレース後のインタビューで「もっとメジャーになって競技人口が増え自転車も強くなっていってほしい」と言うようなことを言われていたので、稚拙ながらルールや今回の結果などについてお知らせさせていただきました。
少しでもご興味を持っていただけたのならば幸いです。
筆者もロードバイクが1台欲しくなりました。
知っている中ではA22のハンドルが今回の梶原選手の自転車のハンドルに似ているので気になっています。