片道20kmの通勤・通学ならロードバイクかミニベロか
通勤・通学を考える時に、たまに相談いただくのが長距離の通勤・通学の場合です。
片道20kmの通勤や通学を考える場合に「ロードバイク」か「ミニベロ」か、悩まれる方がおられます。
筆者も片道45km通勤した経験があるので、一般的な考え以上のアイデアがあります。
まずは、一般的な意見からお知らせします。
安定性を考えるとロードバイク
ロードバイクとミニベロを比較すると車体の全長が長いのはロードバイクです。
タイヤこそ細いですが、実際の地面との設置面積はそこまで劇的に違うものではありません。
そこで重要なのは長手方向の距離です。
ロードバイクの方が長いので、乗っていて安定しています。
タイヤの大きさを考えるとロードバイク
ミニベロは、別名「小径車」です。
タイヤの径は20インチくらいまでです。
一方、ロードバイクは26インチ、27インチが主流です。
何が違うかというと、ペダル1回転で進む距離が違うというのは、半分は合っていて、半分は間違いです。
「ペダル1回転で進む距離」=「前ギヤの歯数」÷「後ギヤの歯数」×「タイヤの外周」
※ギヤは正確にはスプロケットです。
一般的なので、ギヤと表記しました。
ペダル1漕ぎで進む距離は、「前ギヤの歯数」、「後ギヤの歯数」、「タイヤの外周」の3つの要素があります。
タイヤの径が小さいと言ことは、タイヤの外周は小さくなるのですが、ミニベロはたくさん漕がないと進まない自転車では『ありません』。
20インチの自転車と26インチの自転車で、ペダル1回転で進む距離を同じにすることはできますが、ギヤの組み合わせ次第では、すごく重たくなるのです。
ロードは軽いギヤで早く回す乗り方だし、ミニベロは特に考えず好きに乗ればいいので、乗り方が全然違います。
20kmという長距離を考えると、ロードバイクで軽く漕げる方が良いだろうという点でロードをおすすめします。
ここまでが一般的な回答です。
実際に長距離通勤した人間から言わせていただくと、公共の交通機関と組み合わせて自転車での距離を5km~10km程度にすればミニベロでも十分通勤・通学可能です。
例えば、電車や高速バスを利用して、自宅から駅やバス停までと駅やバス停から会社や学校までをミニベロで移動するのです。
輪行バッグを1つ買うだけで自転車は電車やバスに載せられます。
それだけの距離の場合、満員電車の中に自転車を持ち込むようなケースはほとんどないでしょう。
自転車や荷物を置くスペースがあるので、チェックしてみてください。
ガラガラの高速バスの場合、自分が座るシートの横に置くこともできます。
移動中の時間の使い方を考えるとミニベロ
自転車は自分の力で進むことが出来てとてもいい乗り物ですが、通勤・通学を考えると移動中に本が読みたかったり、学生の場合、英単語を覚えたり、テスト範囲のノートを見たいことがあります。
ロードで全部自転車移動したら、割と一生懸命移動しないといけないです。
そうなると、移動中はテスト勉強などが出来ません。
その点、上記のように自転車+公共の交通機関+自転車にすれば、テスト勉強なども可能です。
通勤を考えても、日によっては本当にしんどい日があります。
そんな日は、公共の交通機関で行く日にした方が安全ですし、仕事にも身が入ります。
道によってはミニベロ
片道20kmだと大きな国道みたいな場合は、ロードの方が有利です。
しかし、逆に住宅地や繁華街を通る場合、細い道を通る場合は、ミニベロの方が、小回りは利いて有利です。
通勤・通学の場合は、「どの道を行くか」は選べても「目的地」は最初から決まっています。
その分、途中の道の選択肢は狭くなります。
混み合った人ごみの中をロードバイクで駆け抜けるのは危険なので避けましょう。
トラブルの時はミニベロの方が有利
長距離の通勤・通学を考える場合、1年間で240日くらい行き来することを考えるとトラブルが一切起きない可能性の方が少ないでしょう。
タイヤのパンク、転倒、迷子(?)、雨、雪、など色々考えられます。
パンクはメンテナンスしていればある程度防げるのですが、100%防ぐことは難しいです。
距離が長いことを考えると雨対策は重要です。
移動中に大雨(大雪)になることもあるでしょうし、朝は晴れていて、夕方から大雨という場合もあります。
そんな時は、思い切って自転車は置いて、公共の交通機関で帰るのも選択肢の一つとして考えておいてください。
そして、パンクしたり、雨や雪で置いて帰った自転車は後日回収するわけですが、自動車で回収に行った場合、ほとんどの車種で載せられるのはミニベロです。
ロードバイクの場合、それなりの物を準備しないと乗らないこともあります。
ある程度分解すれば載せられる車種もあるので、買うときにミニベロ以上に注意が必要です。
最終的には好み
ここまででそれぞれの車種を選ぶメリットをお知らせしてきました。
それでも、最終的には好きな方を選ぶのがベターだと思います。
通勤・通学が辛いと思ったとしても、ロードバイクが好きだったら苦にならないと思いますし、「楽ができない」と思ってしまったら辛いと思います。
大事なのは、どんなことが考えられるのかの情報を集めておき、トラブルの際に対処できることです。
それにより、心の余裕が出来て、より安全な通勤・通学になると思います。
外部ライター:奥野 晃一